………


「プワァ!…もう…ダメ…」

 
 先生が溺れかかってるあたしを助けてくれた。


「りこちゃん、今のお姉ちゃんがやったのはダメなやつね!マネしちゃダメだよ!」


「はぁーい!!」


 先生の声に元気よく答える、りこちゃん。


 …もしかして…あたしって悪い例のお手本?


 ……そんなぁ~…。


「じゃあ、りこちゃん、空の方を向いて浮かんでみよう!」

 りこちゃんは先生の言う通りに浮かぼうとしている。

 …しかし、上手く出来ないみたい。


「じゃあ、お姉ちゃんに浮かんで貰おうか!」

 先生が言った。


 ……せ、先生~!!!もう勘弁してぇ~!!!



「菅原、やってみて。」


 ……分かりましたよぉ……。

 …やればいいんでしょ。やれば!!


 先生の目が怖くて仕方なくやる事にした。


 ………もちろん、浮かべません!!


「ウグっ…グッ…先生~水がぁ~!!」


 水飲んじゃった…あたし沈んでるし…たすけてぇー!!

 先生がりこちゃんに説明してるし…もうダメ…。

 ………溺れてるあたしを先生がやっと、すくい上げてくれた。


「今、お姉ちゃんのお腹〖く〗の字になってたでしょ?あれだと沈んじゃうんだよ!お腹を反るように力を入れるんだよ。」

 こうやって。っと先生がりこちゃんに実際にやって教えてあげてる。


 りこちゃんはのみこみが良いのか、先生の教え方がいいのか少しずつだけど、結構泳げて来てる。