「お前ら、よく聞けよ。」


「何？」


「俺が、ここの夜景を見て思った事なんだけどな。」


「ん～。どうやって伝えれば良いんだろうな。」


「俺の親友が会社でも孤独感を感じていて、家の事でも悩んでいて、その時に、ここに来たんだ。」


「俺が、悩んでた時も来たんだけどな。こういう所は、気を使わない人と来るのが一番良いんだよ。自分の素を出せる人と来るのがな！」


「…こうやって、高い山から町を見下ろして見ると自分がここの中心に居る感じに思うんだよ。」


「ネオンがはっきり街並みを見せてくれるからな。」



「その時、フッと思ったんだよ。こんなに沢山の人が生きているんだなって、皆、色んな悩みがあるんだろうな。って。こんな広い世界を真上から見渡すと、自分の悩んでる事がちっぽけに思えるんだ。」


「ここに居る時は、現実から逃げだした気分なんだよな。その分、普通の日常に戻った時のギャップがキツイんだけどな。」