景色が変わってきた。


 住宅街を通り抜けて、田んぼ道に入った。


 すっかり日が落ち辺りはすでに暗い。


 少ない街灯が周辺を照らしてくれている。


 少し、開いた窓から入ってくる風が気持ちいい。


 この時期の夜風は冬と違って体にしみないからありがたい。


 暑すぎず、寒すぎず。


 あたしは、この時期が一番好き。



 田んぼの独特のにおい。自分達が住んでる所とは違う匂いだ。


 遠くまで来たのが実感できる。


 隼人なんて、疲れたみたいで寝ちゃってるし…


 先生の方がもっと疲れてるんだろうな…


 一日中、運転しっぱなしだし…しかも、あたし達に振り回されて…