「今日、外出していいよ。」
「…は?」
先生が朝、突然そんな事を言ってきた。
「どーゆーことっすか?」
頭が理解してない。
「実はね、最近ずっと椎乃ちゃんに頼まれてたんだ。『12日だけ、洸を外へ連れてってはだめですかっ!?』てね。」
あはは、と先生は笑う。
いや、笑えないって。
椎乃が…?
どーゆーことだ?
「はじめはダメって言ったんだがね、あの子は本当頑固な子だ。でも、すごく優しくていい子だよ。」
ぷっ、頑固って…
まぁ、椎乃頑固だもんな。
「えっと、じゃあ…?」
「あぁ、今日だけ特別な。」
そう言って先生は俺の頭をワシャワシャと撫でた。
「楽しんでおいで。」
「はいっ…!!」
