そう言うと洸はぐいっと私を引き寄せる。
「ふわぁあっ!!」
「ありがとな…俺も、
愛してる…。」
耳元でそう言われる。
「んなっ……!」
自分でもわかるぐらい顔が熱くなってる…。
「ふはっ…顔真っ赤ー!」
うぅ!
「だ、誰のせいですかっ!!」
「さぁ、しらねーなぁあ!」
「もうっ!!」
あー、もうこれだけで私の胸はいっぱい。
洸は、ずっとそーやって笑ってて?
私はそれを願います。
そしてあっという間に時は過ぎ、今は11月の終わり。
「洸ー…外すごく寒いよっ!」
「まじかあ!もう冬だもんな。ベッドの中、来る?」
ふぇえっ!?
「う、うん…!」
もぞもぞとベッドにもぐりこむ。
「ふぉお!あったかーいっ!」
「椎乃つめたっ!よしよし。」
えへへ、洸はあったかいなー…。
ギューっと洸に抱きつく。
「っっーー!!」
洸、また痩せた…?
だめだめ、そんなの気にしない。!
だってほら…
洸の胸に耳を当てる。
トクントクンって、心臓が動いてる音がする。
その音が、洸が生きてるって証拠になるんだから…。
「もう来月はクリスマスだな。」
「だね!一緒にクリスマスツリー見に行こうっ!!」
「おう。」
ねぇ、洸、洸は今どんな気持ち?
どんな顔してるの…?
「絶対、見に行こうな…。」
「…うんっ!!」
約束だよ?
私、楽しみにしてるからね?
今日で12月に入る。
椎乃と約束した日から、俺は先生に外出許可をもらおうとがんばってる。
無理なのは…わかってるんだけど、な。
自分の体なんだ。
わかっちゃうんだよな、
もう長くないって。
頑張っても、あと1ヶ月。
先生はもちろんだめって言う。
分かってるんだけど、分かってるはずなんだけど、なー…
椎乃と約束したんだ。
一緒にクリスマスツリー見ようって。
手繋いで、笑いあった去年のクリスマス。
幸せだったよな。
せめて最後に、椎乃を俺が幸せにしてやりたいんだ。
だから…
「先生、お願いしますっ!最後の…椎乃と過ごすクリスマスなんです…」
何度も何度も頭を下げる。
「洸くん…、すまないね。それは、出来ないんだ。きっとその時君の体はもう…」
先生が悲しそうに言った。
ーーー思うように動かなくなってる。
「わかり…ました。すみません、無理って…」
「こちらこそ、すまないね。」
先生はそう言って部屋を出て行った。
ガンっと壁を殴る。
「くっ、そっ…」
ごめんな、椎乃。
俺は約束まで、守ることができないんだ。
洸がすごい謝ってきたのは昨日の事。
クリスマス、一緒に行けない。
悲しいけど…
「大丈夫。私がなんとかする!!」
一緒に過ごしたいからーーーー
また、笑い合いたいからっ…!
「私今日は帰るね!!!じゃあね!」
私がまず、洸を幸せにするーー!!
なにも方法なんて浮かばない。
でも、何かできると思ったんだ。
勘…なんだけどね!
えへへ
家のドアを開けてリビングに入る。
「あ、おかえり。早かったね。」
そうだっ、お母さんに相談してみよう。
「ねぇね、お母さん?」
私はクリスマスに何か出来ないかお母さんに聞いた。
「んー、そうねー…あっ!こーゆーのはどう?ーーーーーーーー」
うわぁあっ!!
「いいっ!すごくいいと思うっ!」
「じゃあお母さんは市役所に行って相談してみるわ。」
うぅ…お母さんっ!
「ありがとうっっ!!」
ギューっとお母さんに抱きつく。
「ふふっ、お母さんも洸くんのこと、息子のように見てたからね…」
ありがとう、ありがとうっっ!!
私に出来ること……………
次の日、私はお昼休みにある計画を実行しようしていた。
「もぐもぐもぐもぐ…」
「椎乃、はやすぎ!つっかえるよ!」
「大丈っごほっごほっ…」
「ほら…」
ごくんと食べ物を飲み込んで席をたつ。
もう、あれをやるしかない…。
「ごめん!ちょっと行ってくる!」
「え……?」
急いである教室に向かう。
「すみませんっ!ちょっと使わせてもらってもいいですかっ!?いや、使わせてもらいます!」
「えぇっ!?」
私がついた場所、それは
視聴覚室………………。