「いい加減にするのはお前だろ」
―――――ルイがいた。
「オマエッ…!!」
「俺の女、返してもらうぞ」
頼人を勢いよく蹴り飛ばし、私の所に駆け寄ってくる。
「唯奈、大丈夫?何もされてない?」
本物の…ルイ…?
ふわっとやわらかく笑うルイに安堵の涙がこぼれる。
そして勢いよく抱きついた。
「ルイっ…!!」
「迎えに来たよ、お姫様」
「遅いよっ…!」
そういって私は、心からの笑顔を向けた。
「どうしてここが?」
「兄さんに場所をはかせたからね。あっちに帰ったらちゃんと謝るつもりみたいだよ」
「そっか…」
「お腹の子は…大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「ねぇ、さっきの言葉…ほんと?」
「え?」
「私にはルイが必要、ほしいのはルイだけだ、って」
「聞いてたの!?」
「あはは、ごめんね?それで?ほんと?」
「…ほんとだよ。私にはルイしかいないもん」
そういうと、突然私をきつく抱き締めた。
「やっと…いってくれた。これで僕もちゃんといえる」
「なにを?」
私の前にひざまずき、手を握る。
「唯奈、君を愛しています。僕と結婚して下さい。君のお腹の中の子供も一緒に育てよう。愛のある家庭、作ろう」
私の目からはボロボロと涙がこぼれた。
嬉しくて、嬉しくて。
「はいっ、よろこんでっ…!!」
この日の私は、今までで一番の笑顔を見せた。