コンコン
「起きてたのか、唯奈」
そういって、頭をなでる頼人。
違う。
「今日の朝ごはんはたまご粥だ」
違う。
「ほら、ここに置いとくからな?」
違う…違う…違うっ…!!!!
「違うっ!!!!」
「…え?」
「朝起きたら、まずおはようって額にキスをおとすの。体調が悪くても、きちんと食べるんだって食べやすい大きさに切った野菜を用意するの。赤ちゃんにも栄養あげるんだから、って。それにほんとに辛い時は食べさせてくれるの……全然ちがうっ!!!!」
「俺はあいつじゃないんだよ!!わかるわけないだろ!?」
「…ルイに会いたい」
「……やめろよ」
「ルイに会わせてよ」
「やめろって…」
「ルイのそばにいたいの!!」
「やめろっていってるだろ!?それ以上いうな!!」
「私にはっ……ルイが必要なの…!!私がほしいのは、あんたなんかじゃない…ルイなの!!」
「いい加減にしろ!!」
頼人が拳を振り上げ、私はとっさに目を閉じた。
……けど、いつまでも殴られない。
恐る恐る目を開けると、そこには…