少しして帰ってきた水内さんの顔は、顔面蒼白、って言葉が当てはまるような表情。
「どうしよう!!」
「ど、どうした?」
「わかってたって…幸せにしてあげてって…!!」
詳しく話を聞いて、俺は頭が真っ白になった。
そして、自分のバカさ加減に笑いがこみ上げてきた。
自分で唯奈をあんだけ弱らせといて、何してんだって。
「高梨さん、ほんとごめん…」
「いや、俺がやらせたことだし。ごめんな、悪役なんて頼んで。俺、いくわ」
「うん……」
今ならきっと間に合う。
俺はコーヒー代を置いて、家へと急いだ。
玄関を開け、リビングへと急ぐ。