「あぁ…つっかれた…。よし、頑張るかぁ」
独り言をもらし、パソコンのディスプレイとにらめっこ。
さっき、唯奈に早く帰るといった手前、急いで終わらせる。
なんてったって、結婚して1年だからな。
たぶん、それで唯奈も浮かれてるだろう。
そんな姿を思い浮かべると、自然と顔が緩む。
実は、俺は唯奈を溺愛している。
それは会社全体が知るほど。
でも、唯奈にはそれは内緒だ。
恥ずかしすぎていえたもんじゃない。
「頑張ってるね、高梨さん」
「あぁ、水内さん。お疲れ様」
「もう終わる?」
「あとはこれを打ち込むだけだけど、どうしたの?」
「帰り道、方向同じでしょ?一緒に行っていいかしら?今日はタクシーもつかまりにくそうだし」