「……………え?」
「お互いに口を出さないこと。守ってないじゃん。ずっといおうと思ってたけどさぁ
ほんとに邪魔。俺の前から消えろよ。
ここから出ていけ」
そういって家を出ていってしまった。
それでも私は、頭が割れそうな程に頭が痛くなった。
必要とされてない。
私は邪魔な存在なんだ。
なら早く……早くここから出なきゃ。
私は用意していた大きなキャリーバッグに洋服や必要なものをすべて詰め込んだ。
そして、小さな引き出しから記入済みの離婚届を取り出し、リビングのテーブルに置いた。
ふと、家の電話が鳴っていることに気付き、電話に出てしまった。
「はい、もしもし…」
「初めまして。高梨 頼人さんの奥様ですか?」
「……はい」
迷った末にそう答えた。
もうすぐ他人になるけれど。
「私は頼人の恋人の水内 紗奈です。率直にいいます。頼人と別れてください。
頼人は、私を愛しているんです。
あなたが、彼を苦しめていること知ってますか?」
苦しんでたんだね……。
やっぱり、結婚したのは間違った道だったんだね。
彼の自由を縛っていたのは…私。
もう、解放しなきゃ。