ふと時計を見ると、もうすでに11時。


早く帰ってくるって…嘘じゃない。


すべてのお皿にラップをして、冷蔵庫へ保存。


ケーキも仕方なく冷蔵庫へ。


何時に帰ってくるんだろう??


そんなことを考えながら静かに彼の帰りを待っていた。


ガチャ


彼が帰ってきたのは、結局日付が変わった頃。


「あ、お帰りなさい」


「……あぁ」


それだけいって私の横を通り過ぎる。


私はなんだかそれが悲しくて、思わず聞いてしまった。


「あ、あのっ…!!」


「なに?」


「き、昨日……昨日が何の日か…覚えてる?」


「昨日?………何かあったっけ?」


その言葉で、私の期待は泡となって消えた。


そっか、そうだよね。


あんな人がいるんだもんね。


覚えてるわけがないかぁ。


けど、すごくすごく悔しい。


「ねぇ、頼人。私って…どこが足りないの?」


「は?何なの、急に」


「私、頼人との約束守ってるよ?なのに何で……何で浮気してるの!? 」


「…知ってたんだ?」


「当たり前よっ…!!答えてよ、頼人っ…!!」


私は泣きながら頼人に訴える。


すると、ため息をつき、気だるそうに答えた。


「なぁ、お前すげぇうぜぇ」