私はどうしていいかわからなくて、俯いたまま自分の机に座った。

言い出したのは美緒じゃない・・
どうして私が・・

クラスでも賑やかな男子達が高村に絡み出した。

男子は基本的に私の味方だ。

「まりあをふっちゃうなんて、何様だよ?」

「なに?他に好きな女がいるとかー?」

「まりあのこと、可愛いと思ったことないんだってー。 高村のくせにねー」

杏奈が男子達に乗っかる。

私を振った事で高村のカーストはあがるのかなと思ったら、どうやらそうはいかないらしい。

下がるのは簡単だけど、上がるのは難しいのか。


そのとき、高村がクラス中に響く大きな声で言った。

「うん、天野さんよりルリカの方が可愛いから」

「ルリカ?誰だよ?」

「美少女戦隊エンジェルズのルリカだよ」

「知ってる!! 小さい女の子向けのアニメだよー。超きもい!!」

杏奈が高村に負けない大きな声で叫ぶ。

美少女戦隊エンジェルズは私も知ってる。 子供向けの人気アニメだけど、小6にもなって見ている子は少ないと思う。

結局、クラス中で高村が気持ち悪い、オタクだという話題で持ちきりになって私が高村に振られた話はあっという間に消えた。