そんな私の天下を初めて揺るがしたのがアイツ、高村忍だった。
高村は転校生だった。
6年生の春に親の転勤で私のクラスにやってきた。
第一印象はとにかく地味!!
チビで、
ガリガリで、
髪はボサボサ、
服装もださい。
転校生の響きに淡い期待を抱いてた女子達の溜息があちこちで聞こえた。
おまけに、見かけ通り中身も地味そのもの。
男子達の好きなサッカーの話題も
ゲームの話題も全然ダメ。
根暗なのか、休み時間は一人で本なんか読んでたり。
最初のうちはクラスで目立つ賑やかな男子達がからかったり馬鹿にしたりしてたけど、高村は何の反応もしなかった。
そのうち、みんな飽きちゃって、高村はイジメられてるわけじゃないけど友達もいない
そんなポジションにいつのまにか収まっていた。