お弁当も食べ終わって、パックのカフェオレを飲んでたところに風子が思い出したように言った。

「そういやさ、月末にクラス合宿あるよね!
同じ班になろうねー」

「あぁ、あれ。何のためにあるのか理解できない。
どっか行くならともかく、何で学校なのかな?」

七海は冷めた事をいうけど、私も去年までは七海と同意見だった。

クラス合宿はうちの学校の伝統行事。
クラスメートの名前を覚えたかなってくらいの5月の終わり頃に、学校に一泊するのだ。

調理室で夕飯を作って、夜はレクリエーションをして、この行事の為だけに存在する謎の宿泊室という部屋で男女わかれて睡眠を取る。

学校から一歩も出ない地味なイベントだ。

「ディズニーランドは無理でも、せめてキャンプとかね?
学校に泊まるって、地味過ぎだよね」

私はそう言ったけど、今年はちょっとだけ楽しみにしてる。

だって、今年は高村と同じクラス。

「ま、今年は楽しみにしてる子多いよね。
男子はまりあと一緒だし、女子は三浦がいるもんねー」

七海がそう言えば、風子が乗っかる。

「そうなのよー。今年は三浦君がいるのよね!!
イケメンと一泊なんて楽しみ過ぎる」

「えっ!? 風子、翔平なんか好きなの??」