そのあとどうやって家に帰ったのかも覚えてなかった。


気づいたら、飯を食ってて。

気づいたら、ベッドの上にいて。

そしていつの間にか、朝になってた。



いつもなら「おはよう」って隣の家から俺を迎えに来るはずのカオの姿はなくて。


本当にもう、カオとは一緒にいられないんだと思った。



「っ…なんで……なんでだよっ……」



その時はまだ、カオが離れていった理由が分からなかった。


カオが好きだった俺にとって、それは叶わないんだと突きつけられたように思えて。


ただただ、溢れてくる涙を拭うことしかできなかった。