「こっちパスくれー!!」


「止めろー!!」



2月に入って、まだ寒々しい風が吹くこの時期。


このクソ寒い中、体育でサッカーをしている俺たち。



あー寒い。

ホント寒い。

もっと着込んでくりゃよかった。



「おい、恭也!何サボってんだよ」



動いて顔を赤くさせた親友の池石 智貴が、ゴール裏のフェンスに寄りかかって座っていた俺の元に来た。



「さみーんだよ。お前よく動けんな」


「ジジイかお前は。若いんだから動いてなんぼだろ!」



お前の言ってることの方がジジイだよ。


と、思ったことは黙っておこう。