やめやめ。
寝よう。
カオへの想いを振り払うように、俺は目を閉じた。
「恭也、起きて!恭也!」
「ん…なんだよ、母さん」
せっかく人が気持ちよく眠れてたってのに。
「なんだよ、じゃないわよ。来てるわよ」
来てる?
「誰が」
「花織ちゃん」
……は?
「ありえねぇだろ。冗談もいい加減に…」
「冗談じゃないわよ、失礼ね!ほら!」
そう言って母さんが指差した方向を見ると。
「!?」
なん、で……。
制服姿の、カオがいた。
「花織ちゃんが来るなんて久しぶりね!ゆっくりしていってね!」
母さんはそれだけ言うと部屋を出て行った。
そんなことよりも、だ。
なんで、カオがここにいるんだよ。