放課後、智貴と別れて学校を出た。
教室でダラダラしてたから、少し遅くなっちまったな。
さっきまでオレンジ色だった空が、すでに薄暗くなっている。
冬の空はこの時間からでも星がうっすらと見える。
「寒…」
早く帰って温まろう。
もう少しで、母親が行きつけのスーパーの前を通る時だった。
「!」
そのスーパーから、丁度買い物袋を持ったカオが出てきた。
まだ制服を着ているところからすると、帰りに買い物を頼まれたのだろう。
…なんか、今日はよく見かける日だな。
後ろにいることがバレないように歩く。
別にバレちゃいけないって訳じゃねぇけど、カオの視界にすら入っちゃいけない気がして。
少し距離をとったまま歩いた。
そして、交差点に差し掛かった時。
「!?」
急に眩しいライトが辺りを照らしたと思うと、車のエンジンの音が聞こえてきて。