バレンタイン、2日前。
男子はそわそわしてるし、女子に媚び売ろうと必死。
端からみたら…愚かだ。
「いいよなー、モテる奴は。毎年バレンタインは大量でさ」
「うるせぇな。俺はチョコは受け取らない主義だから関係ねぇよ」
「マジで!?あ!そういやお前、去年も学校一美少女だった先輩のチョコも突き返してたな!」
意味ねぇんだよ。
本命から貰わねぇと。
カオからは、あの年を境にチョコを貰ってない。
毎年のようにもらっていたのに。
なんかイベントがあるたびにこんなことばかり考えちまう。
いい加減諦めろよ、俺。
「花織、こっちこっち!」
ん?
花織という言葉につられて窓の外を見ると、カオと友達がバスケをしていた。
カオのやつ、運動音痴なのに大丈夫かよ。
そう思って見ていたら。
「花織っ!パスいったよ!」
「え?わぁ!!」
案の定、パスを取り損ねてボールが顔面にヒットした。
「ふっ……」
バカだな、あいつ。