カオはあの日から3日後、同じクラスの男子と付き合い始めた。
そうか。
好きなやつがいたんだな。
俺と居て、そいつに誤解されないためにも俺から離れていったのか。
ははっ…。
俺、バカじゃん。
好きなやつの気持ちにも気づかないで泣かせて、自分の気持ちを押し付けてただけのバカだ。
もう、構ったりしねぇから。
話しかけたりしねぇから。
せめて、カオを好きだって気持ちだけは、否定しないでくれ。
この気持ちは、胸の中だけに留めておくから。
そう願って、あの日から3年経って今に至る。
カオはあの時付き合った彼氏と続いているらしく、放課後たまに学校が違うその彼氏が迎えにきてたりしているのを見かけた。
俺さえ話しかけなければ、カオは笑っていられる。
「俺さえ…黙っていれば…」
「誰が黙ってるって?」
「うわっ、急に話しかけんなよ」
「お前が昼になってもボーッとしてるからだろー?ほら行くぞー」
「あぁ、悪い」
この気持ちは、口にしたらいけないんだ。