軽々と百桃を抱き上げて幹部室を出た京。



それを横目にさっきと同じ声色のまま、葵絆がカエたちに向かって話し出した。



葵絆「……まず、隠してて悪かった。
でも百桃は悪くない。お前らに隠すことにしたのは俺がそういう条件を出したからだ」



"ある時"……つまり怒りモードの時にでる声色なのに、葵絆はカエたちに頭を下げて謝った。



……信じらんねぇ、。



葵絆が怒りモードに入ると俺たち…てか、誰も逆らえないし、葵絆が謝ることも一切無い。



だからこの光景は初めてで、多分これからもない、最後の光景だ。



楓「……どうゆう、意味ですか…?
僕たちが彼女のことを話すかもしれない。信用ならない。そうゆうことなんですか!?」



葵絆「違う!!そうじゃない!」



楓「じゃあどうゆう意味だって言うんですか!!」



折角さっきまで落ち着いていたカエの感情に再び火がついた。



それにつられて冷静だったはずの葵絆まで感情を高ぶらせ、カエと激しい口論になる。



楓「今まで一緒にやって来たんじゃなかったんですか!?葵絆たちにとって僕たちはその程度だった、ってことでしょう!?」



葵絆「だーかーら!違うっつってんだろ!?
少しは俺の話を聞けよ!!」



下「お、おい……楓。葵絆。落ち着けって…」



どんどんとヒートアップし、遂には掴みかかりそうな勢いで、流石に他の下っ端も飛鳥も止めに入る。



だが、



「「うるさい!外野は黙ってろ!!」」



……それでもやめようとしない。



更には俺たちにまで当たってきやがる。



…外野??黙ってろ??



……………ふざけんな。



ーーブチッ



どんどんとイライラしてって、2人が取っ組み合いになる直前、俺の中で何かが切れた音がした。



バンッッ



雷「いい加減にしろよてめぇら!!
てめぇらだけの問題じゃねぇんだよ!!!!外野だの、黙ってろだの、誰に向かって言ってんだてめぇら!
取っ組み合いすんなら表出て勝手にやってろ!!迷惑なんだよ!

葵絆!!!!てめぇ総長だろ!?てめぇがまとめねぇで誰がまとめんだよ!!しっかりしろよ!
カエ!!!!てめぇもこいつとグチグチくだらない言い合いしてんじゃねぇぞ!事情を知らねぇのはてめぇだけじゃねぇだろ!!

これ以上うるさくすんなら今すぐ出てけよ!!!!」