カズは深く溜息をついてから、恐る恐るスマホを取り出し、電話をかけた。



pururururururururu--



1、2、3とコールが続くにつれ、全員が静まる。



ガチャッ--



その音が聞こえた時、全員が一斉に固唾を呑んだ。



和月「ッ…もしもし、?」



恐る恐る、声を掛けた。



『……はい。』



電話から聞こえてきたのは、疲れきったような向日葵の声だった。



和月「…あ、えと、、」



何を言えばいいのか、と声を詰まらせる。



『………だれ、、?』



今度は弱々しく、迷子になった子供の様な声で問い掛けられた。



聞いたことのない向日葵の声の震えに、俺たちは言葉が出なかった。



その中で、一番始めに我に返ったのはスマホの持ち主のカズだった。



和月「…っ、あ。カズ、和月だよ」



そんなカズの声に俺たちも我に返った。



『…かず、き??………あぁ、和月か』



戸惑ったようにカズの名前を呟いた向日葵は、数秒間黙ってから、思い出したかのようにいつも通りに戻った。



『…何か用か?』



和月「あ、えっと…」



比呂斗「倉庫にはこねーのか?」



なんて言ったらいいかと迷うカズの横から、ヒロが向日葵に直球で言った。