「っ、いいよ!あんたたちをプロの殺し屋してあげる!!
でもその代わり!やるからには世界一を目指してもらうから!!」



私はもう、この時から彼女たちを認めていた。



立派な殺し屋として、仲間として。



…そして光は、たった3ヶ月で世界一の殺し屋になった。



蝶も龍も、始めて一年も経たない内に世界No.10以内の有名な殺し屋となった。



それと同時に、私も月を引退し、彼らに仕事や武器を与えることに専念するようになった。



…そんな中一度だけ、こーくんとひなくんに聞いたことがある。



「なんで殺し屋なの?」



「「は?何突然。」」



「ずっと思ってたよ。
ねぇ、なんであんたたちは殺し屋に執着するの」



強くなりたいなら、殺し屋以外にもあったはずなのに。



何故、重い犯罪者になることを選んだのか。



「知らねぇよ」



「へ?」



「だから、知らないって。」



2人とも顔を見合わせ、知らないと言った。



自分のことなのに、知らないって何よ。



「どうゆう意味。」



「どうゆうって…俺たちは理由も何も知らないからそう言ってんだろ。」



「俺たちは向日葵についてきただけ。
理由なんて知らないし、知りたいなら向日葵に聞いて。」



「なに、それ。
ついてきただけってなに、あんたたちは理由も無いのに殺し屋になったの!?」



…私は偉い人の不倫相手の隠し子で、私を産んだ母親は私を違法の施設に捨て、さっさと姿を消したから、私は1人で生きていくしかなかった。



居場所がなくて拾われたのが裏の世界だった。



裏しか生きる場所がなく、殺し屋になるしかなかった。



それなのに、表で生きていけたはずの2人が、理由もなく殺し屋になったことが許せなかった。