「!!おい!!向日葵!時雨!!大丈夫か!?」



恐らく、瓦礫をどかし始めてそんなに経ってはいなかっただろう。



けど、俺たちには何時間にも感じられた。



すーが声を上げたことで俺たちもそこへと近づき、瓦礫をどかした。



「「「!!??」」」



「え、?時雨??ねぇ、時雨!?時雨!!」



「うそ、でしょ…?しー、!!おきろよ!!」



…瓦礫をどかせばどかすほど、俺たちはこの現実を認めざる負えなかった。



………重い重い瓦礫に潰され、大量に真っ赤な血が広がるその血の持ち主が…、



さっきまで俺たちと話していたしーだなんて。



そして、その横に一緒に横たわっているひまは静かに涙を流していた。



「ひま?何ないてんだよ。しーがこんなところで死ぬわけないだろ??
死ぬわけがっ!!」



「陽向!」



(ビクッ)



「…落ち着け。早く出ないと炎が来るぞ」



……ただただ信じられなかったんだ。



さっきまで笑いあってたしーが、今じゃピクリとも反応しなくて、血を流し続けていることに。



信じたくなかった。



こんなところでしーが、死ぬわけない。って。



「…行くぞ、陽愛。陽向。向日葵。」



俺とひよを持ち上げたすーに俺は駄々をこねる子供の様に、泣きながら文句を言った。



「すー!!しーをおいてくのかよ!?こんなところに!
ねぇ!いっしょにかえろうよ!!!!しー!!」



俺はすーの腕から無理矢理おり、しーにしがみついて瓦礫の下から引っ張る。



だが、上に乗っている瓦礫が重すぎてぴくりとも動かない。