「お前なんで此処に居るんだ!?早く逃げねーと危ねーぞ!!
っつーか、この縄と手錠外してくれ。」
「あ、うん。外すけど…
なんですーがここにいるの!?しかもしばられて!!だれにやられたの!?」
カチャカチャと音を鳴らして手錠と縄を外した俺は、すーに質問攻めする。
「知らねーよ!いきなり手刀かましやがった奴に縛られたんだっての!!外の音を聴いてみれば、警報なってっし!!
って、そんなことはどうでもいい!
なんで陽向が此処に居るんだよ!?それに、時雨は!!」
すーの話をまとめると、すーが部屋に戻ろうと廊下を歩いて居たら、いきなり気配のない人物に手刀を首の後ろにかまされ、気がついたらここで縛られてた。ということらしい。
「とりあえず見つけたから下に行かなきゃ!炎がくる前に!!はやく!
しーならひよかひまがちゃんと見つけてくれるはずだから!!!!」
とにかく俺は早くここから出ようとすーの腕を必死で引っ張った。
すーも緊急事態だと認識しているからこそ、冷静で俺の後についてくる。
「!!」キキーッ
走っていた足を止め、後ろに一歩下がった。
「とおれなくなってる…
俺、ここから上がってきたんだ。」
階段を降りようとするが、その階段には既に煙が充満している。
恐らく、すぐそこまで炎が来てるのだろう。
どうしよう。と必死で冷静になっていた頭がパニックに陥ろうとしていた。
「っ、陽向!こっちだ!!」
だが、その寸前ですーに抱き上げられ、来た方を戻っていった。
「すー!そっちはもう炎が…」
「大丈夫。こっちに隠し階段があるんだ。そこにはまだ炎はいってない筈だ」
何故すーがこの時隠し階段なんて知っていたのかは知らないが、緊急事態だからその時は流しておいた。