だから出てくる人だかりを逆走して俺たちはホテルの中へと入っていった。
「ひな!手分けしてさがそっ!」
「えっ!?はぐれちゃうよ!!」
「時雨たちかひよを見つけたらここに集合。
見つけなくてもあぶないと思ったらぜったいここに来て。
わかった!?」
「うん!!じゃああとでねっ!」
「うんっ」
俺とひまはそのまま別れ、しーとすーとひよを探しに行った。
…この時、俺たち、、いや、少なくとも俺の頭には、既にホテルを脱出しているという考えは全くなかった。
……ただただ俺はしーたちの名前を叫びながら階段を上っていった。
「しー!すー!ひよ!どこにいるのっー!!!!」
ガタンッ
(ビクッ)
…何階だったかな。多分そこまで上の方ではなかったと思う。
まだ炎が来てない廊下を名前を叫びながら走っていると、一室から大きな音がした。
目当ての人物じゃないにしても、まだ残ってる人がいるなら危ない。
そう思って、ビクビクと怖がりながらもその部屋を開けた。
「ンーッンーッ!!」
やっぱり人だ!そう思って靴を履いたまま部屋に上がった。
「どこー!?いたらへんじして!!」
なんでも一部屋が大きすぎて部屋がいくつもあった。
ガタガタンッ
「ここ!?」ガチャッ
「!!」
大きく音が聞こえ、思いっきりドアを開けると、中には…
「すー!?なにしてるの!?」
「ンーッ!ンッ!!」
椅子に縛られて口にはガムテープが貼られ、身動きが取れなくなっているすーがいた。
慌てて口のガムテープを外すと一気に話し出した。