耳に付けてるイヤホンじゃない。



倉庫の何処かから響くように倉庫全体に聴こえた。



勇起斗「…琥珀??」



『勇起斗、認める必要はない。俺らは認めて欲しいと思ってない。』



何処かから聴こえる声は先程まで聞いていた琥珀の声だ。



『っつーか、認めるなよ?絶対。認めたらお前らは人を殺すこと全てを認めたことになる。』



今度は琥珀ではなく、陽向の声だ。



『認めなくていい。絶対に俺ら殺し屋を認めるな。俺らの行為は犯罪なんだ。人殺しだ。誰にも許して欲しいなんて思ってない』



『絶対、認めるなよ。』ブチッ



返事する暇もなく、何処からか聴こえた声はブチッと音を立てて切れた。



何処から俺たちの会話を聴いていたのかはわからない。



もしかしたら、最初からかもしれない。



…考えても答はわからないが、琥珀と陽向のお陰で助かったのは事実だ。



俺たちじゃ何を言ったってユキが納得するとは思えないし。



勇起斗「……俺は、警察組織も許せないし、どんな理由があろうとも命を奪うことは許せない。

…でも、何となくわかった。
殺し屋の光陰たちは敵だと思っているけど、青星の琥珀たちは仲間だと思っているし、それは何があっても変わらない。」



ユキはそう言い、段ボール箱へと近づく。



捺翔「勇起斗…、」



イヤホンと端末を取ったユキに上にいた捺翔さんは階段を下りて近づいた。



勇起斗「…兄貴、ごめん。
兄貴も許せないだろうけど、あいつらは俺にとって"仲間"なんだ。」



捺翔「あぁ。わかってる。

…確かに俺もあいつらに怒鳴ったが、あいつらを責める義理なんて俺にはない。
人を殺すのは許せないが、俺にとってもあいつらは仲間だ。

お前も謝る必要はない」