輝「…なんで響はそれを知ってるの?」



そうだ。



産まれてすぐなら、記憶だってあるわけがない。



…なんでそんなこと、知ってるんだ??



響「……一卵性の双子って言ったって、全部が一緒なわけじゃないんだ。
夜泣きだって、食べる量だって、俺たちは全然違った。


比較的俺は静かな方だったよ。
夜泣きは少なくて、父親にとっては楽だっただろーな。
それに対して、"歩"は夜泣きは酷いし、食べる量だって異常に少なかった。




そんな特徴があるのに、父親は俺と"歩"を間違って連れていき、育てたんだ。」



葉亮「っ!でも!母親なら気がついたんじゃ…っ!!」



響「ああ。知ってたよ
だから何度も何度も母親は父親の方に押しかけて、その子は"響"でこの子が"歩"だ。って言ってきてたよ。


けど、父親は比較的楽な俺をなかなか手放さなかった。
"歩"だと面倒だから、って理由でな」



っっ!親のくせに、面倒だからって理由で!?



最低だ、。



…俺も、人の親のことは言えないけどな。



響「……それから数年、やっと決着がつき、俺は母親へ、"歩"は父親へと渡るはずだった。


けど、"歩"はそれを嫌がったんだ
父親に渡れば、幼稚園は当然別になる。
幼ながら"歩"はそれをちゃんと理解してたんだ」



葉亮「!まさかっ!!!!」