今までに見たことがないくらい、今にも泣きそうな顔をし、響に言葉をぶつける彼方。



…俺はそんな彼方を見て、混乱していた頭がスーッと正常に戻った気がした。



響「…………記憶を、無くしてたんだ…。」



「「「「「「「「「「えっ…!?」」」」」」」」」」



記憶を、無くしてた?



響も、記憶喪失だったっていうのか…?



天「…響が記憶喪失だったっていうのは本当だ。」



輝「……嘘じゃない。」



響の隣にいた天と輝は知っていたのか、そう断言した。



葉亮「…っそうだとしても!
なんでお前は"宇賀響"って名乗ってんだよ!!」



…それもそうだ。



"宇賀歩"が本名なら、何故"宇賀響"と名乗る必要があった?



亡くなってると彼方と葉は思っているんだから、わざわざ名前を変えなくてもよかったはずだ。



響「…"宇賀響"。
俺に会う前に聞き覚えがあっただろ?

かなと同じ幼稚園に通ってた。」



「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」



彼方「っ!やっぱりお前は"ひび"を…っ」



響「……そうだよ。知ってるに決まってんだろ?




あいつは、かなと同じ幼稚園に通ってた"宇賀響"は、













正真正銘、俺の双子の弟なんだから。」