開放された体が、一瞬にして、冷めていく。


後ろを振り向いて、陸の顔を真正面からみた。



陸の困ったような悲しそうな顔が胸をしめつけた。


でも、言わなきゃいけない。




「なんで?



なんでこんなことしたのっ?


りっ陸には雫がいるじゃ、ないっっ」



体がくず折れる。


波音はしゃがみこんで砂浜に手を着いた。



涙が伝う。それでも私は話し続けた。



「雫を、抱いたんでしょ?

なんでよっ

なんでこういう期待させることするの?



私の気持ち知ってるくせに...」