『波、音――...』
「り、くっ!?」
草むらからでてきた人影。
それは、私が待ち望んだ人だった。
「なんで、私、のことっ...」
上手く喋れない。
喋る言葉なんて、いらなかったのかもしれない。
少しずつ近いづいてきたその背の高い、優しい人影が...
ふいに私の体を抱きしめた。
「な、んで!?陸っ」
もう、何も考えられない。
ずっと、こうしたかったんだよ。
陸が、好きなんだよ。
ただ、それだけ。
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