『...それ、宮里先生に言われたんだよ。
俺は...、雫って言ったんだ。』
「え...?」
柊ならば、陸だと答えると想っていた。
『そうあ、あからさまにびっくりすんなよ。
そして、先生に言われたんだ。
「陸君に言ったら、友達を選ぶといわれた」って...』
「それって、陸は...
陸は...」
『そう。みんなの気持ちを知っているから』
陸は、雫の気持ちを知ってしまった....。
私は陸にしがみついている女になりたくない。
でも、私のそばにいて欲しい。
自分の心が矛盾しているのを感じながら、ただ、こぼれだす塩辛い涙を落としていた。