「柊です。」


意外なほどすぐに、自分の気持ちが出てきた事にびっくりした。


俺にとって、柊はとても大事だ。



「君はそう思うんだね。



今日陸君がした事は、いいことだよ。


人間としてすばらしい行為だ。


だけどね、もっと人間の心を持つんだ。」




「人間の心...?」


自分は人間の心を持ってはいないのか、と自分に問う。


「柊君のことを考えたら、君のすべきことはなんだったろうね。」





俺のすべき事...。



宮里先生の考えている事が、わかった。




柊に雫を運ばせる事だった。





でも、雫の気持ちは...