「あ...」


少し白髪交じりの優しい顔。

縁めがねをかけたその柔和な顔が、ふいに話しかけてきた。



「あ...お久しぶりです!」


宮里診療所の院長。


宮里先生だった。


「陸君、大きくなったね。


今日は、どうしたの?」



優しい顔と比例したやさい以、暖かい声。


なんでも話させる気にならせてくれる。



「今日...雫が急に気持ち悪いって言い出して、学校から運んだんです。」




「そうか...で、柊君は?」




「...え?」



容態は、と聞く前に柊の事を出す先生に、俺はびっくりした。



「柊君の気持ち、陸君は考えた事ある?」



「...柊の...、気持ち


ですか...?」



「うん。」