「じゃぁな、波音。

気ぃ付けて帰れよ。」



柊と手を振って自転車小屋で別れる。


いつもの陸と私の...


いや、陸の自転車がない事が私の心を寂しくさせる。



「陸-私家まで歩いて帰ればいいのー!?」


誰もいない自転車小屋に、1人で虚しく叫ぶ。





私の指定席なんて、勝手に想ってた私が馬鹿だったんだ...。


頭の中から雫の笑った顔が消えてくれない。



雫は...


雫はきっと




陸を私から奪っていく。