ザーッ... ザ――ッ.... 静かで美しい波の音が聞こえる。 この音は朝の海の音だ。・・・ そぅ思ったとたん眼が覚めた。 窓をあけると潮の香りを思い切り吸い込む。 私の名前は「岸 波音((キシ ハノン))」 海に囲まれた小さな離島で幼なじみの山本 陸の家に、ずっとお世話になっている。 小さいころに両親は交通事故で死んでしまった。 死んだ母が波の音がスキだったために私の名前がついた。