「俺は...伝えられなかった。」



柊の肩がふるふると震えている。


そっと、抱きしめてあげたくなるくらいに。



「なぁ、雫は俺に直接言ったんだぜ。


『陸が好き』だって。


俺の気持ちわかるかよ。



それでも幼なじみとして、女として



ずっとずっと好きだった雫を...






諦められなかった.....」







「柊...」


波音はそっと柊の手を包む。




人の手ってなんでこんなにも暖かいのだろう。