でも、もしこのことで私が雫を失ってしまったら

どうしたらいいのだろう。




それでも私には、陸がいる。



そんなことを、思えるのだろうか。






―――思えない。




私には陸の雫も。そして、柊だって大事なものだもん。







きっと、雫ならわかってくれるよね。



トントン



部屋をノックする音がきこえる。




さぁ、寝たふりをしよう。



そして、陸にキスして起こしてもらおうかな。






私は、布団を思いっきりかぶった。





幸せの道




みつけたよ。







人魚のいた夏―第1部―