あいつ...
俺は波音の部屋を飛び出て、部屋に戻ると、自分の机のひきだしに入っていたモノを掴んだ。
そして、階段を転げるように降りた。
あいつはきっと....
そうだ。あいつはあそこにいるんだろう。
俺、何回あいつのこと泣かせたんだろう。
俺はあいつを幸せになんかできないのかもな。
でも、俺は悟ってしまった。
気持ちを伝えるときがきた、と。
このままだったら、あいつがどこかにいってしまいそうな気がする。
言えない男だった。
でもそんなこと言ってる場合じゃねぇんだ。
今は、あいつに思いっきり伝えられる気持ちがある。
俺は、夜の道を走った。