「凜咲。これをお食べ。」

ハクが手に取り出したのは茶色い団子みたいなもの。
とてもじゃないけど美味しそうとは言えなかった。

「何これ…?」

「この世界の物を食べなければ凜咲は消えてしまう。さあ、早く。」

消え…!?

自分の手を見ると、手が透けてその下の地面が見えている事に気がついた。
(消えてる…!?)

「ハク、どうしよう!何なのこれ…」

頭が混乱してハクの言っている事も分からなくなる。

ハクが私の顎に手を添えた。

その瞬間、ハクは私と唇を重ねた。

(~!?)

何かが口の中に流れ込んでくる。
きっと、さっきの団子だ。

ハクは唇を離すとニコッと微笑み、
「これで凜咲は消えない。」
って。

(それどころじゃないんだけど!)