「椿、着いたぞ」

「着いた?」

ゆっくり目を開け、停止していた思考回路を働かせる。


「どこ?」


駐車場?
学に行き先を言った覚えないのに……


「俺のアパート」

「学の?」

「野宿よりはましだろう」


そう言ってハンドルに身体を預け笑った。


「まぁ……」


否定も工程もしない私に「何もねーけどな」と車を降りた。

私も車を降りて学の後ろに着いて行く。

駐車場は地下にあるらしく、エレベーターが備えてあった。