お店を出ると「顔色悪いな」と学が私の顔を覗き込む。

私は学の服をギュッと掴み


「なんか、目眩する」

「マジかよ。すぐ車に乗れ」


そう言って乗せられたのはいつもの車じゃなかった。


「学の車は?」

「あ?俺のだよ」

「いつも乗ってたのは?」

「堕天使使用」


嬉しそうに悪戯っ子みたいに笑う学に「意味わかんない」とだけ言って、助手席ですぐに瞳を閉じた。

瞳を閉じてもグルグル回っているようで気持ちが悪い。

「大丈夫か?」と何度も聞く学にも何も答えることが出来ずに、深い眠りに落ちていた。