「イヤ!!!」


男を思い切り突き飛ばし逃げようとすると「てめー」と男がすぐに腕を掴みバン!っと私の頬を叩いた。


「ふざけんなよ!」

「イヤ!!!」


声が枯れるくらい泣いて叫んだ。

だけど、路地裏に居る私達の声なんて誰にも届かない。


何時も……
何時も……
同じ。

何処に居ても私の声なんて、誰にも聞こえない。
誰にも届かない。

ガタガタと小刻みに震えてくる。

逃げ出したいのに、もう動けなかった。