急に腕を掴まれて引きずられるように路地裏に連れて行かれた。

明かりがないそこは真っ暗で近付く相手の顔さえ見えなかった。


「ちょ、ちょっと……」

「ただ食いなんてなしだろう」


さっきまでとは違う男の声。
塞がれた唇。
無理やり割って入ってくる舌に吐き気がした。


「ん、んっ」


顔を左右に振って抵抗しても何の意味もない。

男の手が制服の中へ滑り込んでくる。
ヒンヤリした手にビクッと身体が反応すると、男のキスが深さを増して行く。

それと同時に私の記憶が溢れてくる。

記憶のずっと、ずっと奥に蓋をしておいたものが……