「おい!何やってんだよ!」
言葉と同時に後ろへ引かれた体。
振り向けばそこには獅朗が居た。
獅朗だけじゃない。
嵐も真澄も幸二も……

みんながどうして居るのかなんてどうでも良い今は……「学が……」私がそう言うと獅朗の力が一層強まる。

「離してよ!」

「椿!」

「学の所に行かなくちゃダメなの!」

泣きながら叫ぶ私に「椿が行っても仕方ねーだろう」容赦ない獅朗の言葉。

そんなの分からないじゃん。
何度も何度も学は私を見付けて救ってくれたんだから、私だって学のことを……――




「離して!」



力いっぱい獅朗の腕を振り払い、人の流れに逆らうように学の居る場所へ走った。


学!
学!!やだよ!

学―――