一瞬、目が合った気がした。
勘違い?
勘違いなんかじゃない。
何処に居たって学は私の声を聞き、
私を探し出してくれる。

あの街で私を見つけてくれたように……――





学は手を挙げ笑った。
今まで見たことがないくらいの極上の笑顔で。

さって行く学の後ろ姿には、真っ赤な大きな牡丹が咲いていた。


きっとこの先何があっても、今日の学の姿は忘れない。


風に舞い咲き誇る真っ赤な牡丹……――









キッキーっ、
ドッーン!!!






激しい音の中で、
真っ赤な大きな牡丹が散って行く……――