此処に居るギャラリーみんな同じ。
寒さなんて気にならない高揚感。

微かに聞こえてくるエンジン音。
みんなの視線が同じ方向に向く。

瞳を凝らしそれを来るのを待った。

暗闇の中一つの光が見え「うゎ~」と言う歓声が上がる。
そしてその後ろから見えてくる無数の光の帯。

ヴォンヴォンとふかされていくエンジン音。
その爆音に耳を塞ぎたくなる。

だけど……
今日が最後。
学の全てを焼き付けたい。
どんな音も、どんな声も、どんな姿も、
残すことなく全てを……――




「来た!」



誰かの興奮気味の叫び声に一層の歓声が上がる。