会社帰り、人通りのない、会社の裏手の道のはずれで、悠斗を待った。



暫くして、走って私のほうにやってくる、悠斗の姿に気が付いた。



「ごめん、待たせた?」



「ううん、私が、早かったの」



「あ、そっか、遅れちゃったかと思ったよ」


こんなときも、爽やかだな、悠斗って。



悠斗は、走ったせいで、少し乱れた、さらさらのこげ茶の髪を、かき上げた。セクシーだわ。




「じゃあ、行こうか?」




そう言って、右手を差し出した。



手を繋ぐと、とても、暖かい。