「ちょー、ドキドキしちゃった」



「えー、そんなこと、言わないでよ、恥ずかしいじゃん」



スクランブルエッグを食べながら、私はぼそぼそと、つぶやいた。



こういう、何てリアクション取っていいか、分からないこと言うから、苦手なんだ、この人。



「今日は、みなお、何してるの?」



「えーと、掃除、洗濯、買出し、とか?」


我ながら、干物的、日常。



「一緒に、手伝って、あげようか?」


また、にこっと笑って、この人は、私に言った。



「あ、大路君、いや、碧くん」



私は、今しかないと思って、碧君の顔をまじまじと見つめた。