リ「な、なんでしょうか?」

俺は、少女の前に立った
と言っても、少女は
塀に座ったまんまだった

新学期から変な人に会った
いや、これも運命だなきっと

運命は逃れられないんだ!
そうだよ!きっとこれは
幸運なんだ!きっとこの少女の
出会いはいい事なんだろう!

うん!誰かが言ってた
前を向いて歩こうって!
きっと、こうゆう事なんだ!

?「ボクは、ここに来たばかりで
あんま知らないんだけど
ここって、生徒手帳がないと
入れないんだねー
センセーの話を聞いときゃ
よかったよ…」

ふむふむ、知らないって事は
新入生かな?
結構小柄だし…
にしても、ボクっ娘か…

どこかにいたような気がする…
そんな知り合い…でも
思い出せないや



にしても、太陽が眩しいよ!
少女の顔が見れないじゃないか!


?「少年!そのカバンを
取ってくれないか?」

少女が指差したのは
地面にポツンとあるカバン

あ…登ってる時に
落としたのかな?

って事で、拾う

そして、渡そうと彼女に
近付いた。


リ「はい!」


初めて見る彼女の顔は
白くて長い髪を三つ編みにして
紫色の瞳がこちらをとらえた。


?「ありがと!」

紫色の瞳を細めて
優しく笑う

リ「!」


可愛いなぁ………

なんか、この気持ちは
初めてのようで
初めてじゃない気がする

そして、少女は
カバンを受け取って
塀の向こうに降りた。



ア「ったく、お前を警戒心を持て!
普通の奴じゃなかったら
どうするんだ?」

ク「そうですよ!
ヒトクイかもしれない…んむ!?」

ア「そんな事を
大声で叫ぶな!!」

焦った顔で
アカトはクロナと口を
手で塞ぐ。
クロナはコクコクも頷く。

リ「ヒトクイじゃないよ?
ヒトクイは感情を持たない…」

ア「あ、それもそうか……」

ク「ん…ぷはぁ…はぁ…」

クロナはようやく息を吸えて
安堵している。

リ「ねぇ……」

ア「なんだ?」


リ「知り合いで
三つ編みで紫色の瞳を
している女の子って………
いたっけ?」

アカトは、少し
驚いて、そのまま
少しだけ悲しそうな顔をした

クロナも藍色の瞳を
少し潤ませた。

リ「どうしたの?
二人とも……」

ア「いや…お前が
憶えてないなら……
そんな奴は、いないって…」

ク「そうですよ…
リョクラさんの知り合いは
星の仲間と僕等だけです」

リ「うん、そうだね」